GxP Lifeline

効果的なサプライヤー・スコアカードを構築


Supplier Scorecard

サプライヤーのパフォーマンスは、企業のコストや品質、納期、対応能力に大きく影響しています。特に、製品の品質の一部がサプライヤーの製品やサービスに依存している企業にとって、サプライヤーの高いパフォーマンスの維持及び向上は必要不可欠です。

その点において、サプライヤー・スコアカードは、手始めとして理に適った方法です。このプロセスでは、各サプライヤーに対して最終的に点数付けが行われ、その数値から各サプライヤーがどの程度、機能しているかを把握できる明確な指標となります。

サプライヤー・スコアカードとは?

サプライヤー・スコアカードとは、サプライヤーのパフォーマンスをモニタリングする為のツールです。各サプライヤーの品質や納期、コスト、対応能力などに関連する定量的な数値をモニタリングすることで、そのサプライヤーのパフォーマンスや有効性を長期的に把握することが可能となります。スコアカードは、サプライヤーのパフォーマンスを管理するシステムの一部として、リスクを最小限に抑え、企業及びサプライヤーの双方が同じ目標を達成する為に取り組めていることを確認し、また、その期待を伝える手法としてスコアカードを活用することができます。

サプライヤー・スコアカード構築時の留意点

サプライヤー・スコアカードは、「One Size Fits All(1種類で全ての業種や業務に適用可能)」ではない為、どのような内容のスコアカードを構築する場合でも、共通した留意点があります。

  • パフォーマンスのカテゴリーと優先度
    サプライヤーのパフォーマンスを評価する際の内容定義を行うには、企業の全体的なビジネス目標に対してトラッキングするべきです。最も重要であると位置付けられる内容をカテゴリー別に分類し、各カテゴリーで評価する数を管理可能な量に留めましょう。例えば、医療機器に対するスコアカードで、前年比のコスト削減や品質向上、対応能力等を基準として採用している場合、その基準に対する合意を取り付けましょう。また、このような基準には、業界規格や品質規格を使用することもできます。
  • 採点手法の策定
    基準を策定したら、サプライヤー・スコアカードを作成することができます。(評価方法として)加重採点方式を採用している場合、ビジネスに対する重要性に基づいて、様々な要素に優先順位を付けることが可能です。ある指標は他に比べて重要であるなど、各指標の重要性は企業によって異なります。
  • パフォーマンス目標の設定
    基準や評価手法の後は、パフォーマンス目標を策定することができます。最適な目標の策定には、数多くの効果的な方法が存在しており、この内容は、全ての情報が含まれるサプライヤー・スコアカードに反映されます。
  • 評価尺度の適用
    評価する内容が決まったら、サプライヤーのパフォーマンスデータをサプライヤー・スコアカードに入力し、予め設定した目標値に対する差分を記載することで、その結果を把握し、フィードバックに展開することができます。また、特定の状況下では是正措置が必要な場合もあります。基本的にサプライヤー・スコアカードの構築プロセスは、全体を通じて可能な限り、シンプルにすることが推奨されます。

まとめ

企業とサプライヤーの間では、両社で直接的なコミュニケーションを行うことで、重要な変更や課題を解決することができます。サプライヤー・スコアカードを活用することで、サプライヤーは常に自社に対する評価や傾向を把握し、協力体制を構造的に評価することが可能な為、効果的なコミュニケーション手法です。そして、継続的改善に繋がる実行可能な計画を主要なサプライヤーに対して積極的に構築することで、サプライヤー・スコアカードを成功に導くことができます。


david_butcher

ニューヨーク州立大学パーチェス校にてジャーナリズムの学士号を取得後、Technology Marketing社及びThomas Publishing社にて編集者として従事、現在はマスターコントロールのMarketing Communication Specialistを担当しています。


[ { "key": "fid#1", "value": ["GxP Lifeline Blog"] } ]